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宗親さんは、私が未経験じゃないことを知っていらっしゃるから……だから〝都合の良い相手〟と見做して私を選んだのかも?
偽装結婚の夫役が初体験の男性になるんじゃ、選ばれた女の子が確かに可哀想だもんね。
その点私は確認するまでもなくそこはクリアしていること、宗親さん、偶然とは言え知ってしまったから。
しかも対象がこれまた偶然(ホントに偶然なの?)胸に難ありの、事故物件とも言うべき私だったとくれば、策士の宗親さんなら罠にかけるのなんて造作もないことだったに違いない。
実際今現在私は――自業自得な部分が大きいとはいえ――いつの間にか宗親さんにがんじがらめにされてしまってるもの。
それはそれとして。
宗親さんが、私の価値を〝非処女〟というところに置いていらっしゃると仮定した場合、ひとつだけ問題があることに気が付いた。
だってだって……ここだけの話、私、元カレ以外の男性とはシタことないんだもん!
全く初めてってわけじゃないけれど、手練れかと聞かれるとそうじゃないわけで。
いや……むしろどちらかというとビギナーに近いかも知れないくらいっ。
何をしても濡れない身体に、コウちゃんはいつしかローションを常備するようになっていたのよ?
あ! そうよ、ローション! ないよね? 無理! アレがないと無理ですよ、宗親さん!
濡れてないと私も痛いけれど、男性も痛いというのはコウちゃんの受け売り。
だけど、きっとそれって真理なんだよね?
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