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「さあ、早く」
このまま黙っていたら、「ご自分で脱げないのでしたら僕が脱がして差し上げましょう」とか言い出しかねない気がして、私は覚悟を決めた。
「だ、脱衣所で脱い、で来て……いいですか?」
脱ぐことは決定事項だと思って諦めます。
でも、目の前で脱ぐのは勘弁していただきたいのです。
涙目で宗親さんを窺い見たら、「致し方ありませんね」と溜め息を落とされた。
「――ですが、1分以内です」
寝室の扉に手を掛けた私に、宗親さんの低い声がかかる。
「それ以上は待ちませんので、そのつもりで」
おかしいです。
いつの間にか物凄くガッツリと、イニシアチブを握られている気がします!
私が握られているのは、どうやら〝弱み〟だけではないようです!
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