12.条件、ご存知ですよね?

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 案外覚悟を決めて戻ってきたら、スヤスヤとお休みになられているとか……そんなこともある気がしてきました。  っていうかそれを期待してしまってから、1分で寝てたらあの国民的アニメの、猫型ロボットと同居している眼鏡の彼と一緒だよ、と思って、「さすがにそれはないな」と溜め息をつく。  脱衣所でカップ付きのタンクトップを脱いでから、宗親(むねちか)さんにお借りした彼シャツを羽織り直すと、胸のあたりがすごく心許(こころもと)なくてソワソワして。  生地が胸の先端に触れることなんて、家にいれば入浴後には日常茶飯事のはずなのに、着ているのが自分の服じゃないからかな。  すごく意識してしまう。  しかも私の胸は先端が陥没しているから……きっと一般的な女性たちより受ける刺激は少ないはずで。  ――普通のお胸だったら、ここで先端がチョンと服を突き上げたりする……のかな。  自分には有り得ないことだけど、想像すると何だかエッチで、ビジュアル的にそそられるの、うらやましいなって思ってしまった。  結果、とんがりがないというのが逆に恥ずかしく感じられて、ギュッと胸元を掴むようにして浮かせたら、それはそれで不自然で。 「う〜」  洗面所の鏡の前で、ひとり(うな)り声を上げていたら、1分経っちゃう!?ってハッとして。  急いでトランクスも脱いで、脱ぎたてのタンクトップと一緒に半ば丸めるみたいに手にすると、急いで寝室へと戻った。
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