13.最低男と一緒にしないで?*

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「ダメ? 却下ですね、春凪(はな)。先に申し上げた通り、僕は先程1分以上キミのことを何も言わずに待って差し上げました。なので、残念ながらそんな余裕はもう、微塵も持ち合わせていません」  そこでフッと意地悪く口角を上げる宗親(むねちか)さんを見て、余裕がないとか嘘だって確信した。  なのに、彼の大きな手でやんわりと左の乳房(ちぶさ)を包み込むように押しつぶされた私は、逆に宗親(むねちか)さんに抗議するゆとりを奪われてしまう。 「んっ、やぁ……」  ――胸なんて(そんなところ)、触らないで。  コンプレックスのかたまりでしたかない、胸のふくらみは、だけど大きさだけはEカップとそこそこにボリュームがあって。  私の忌まわしい〝陥没乳首(ひみつ)〟を知らない男の子たちは、しばしばその大きさに騙されて吸い寄せられる。  だけど脱いだら残念がられることを誰よりも知っている私は、異性がそこに興味を持つことに強い抵抗があって。  生まれて初めてのエッチのとき、元カレ(こうちゃん)にその見た目で明らかにガッカリされたのを思い出した私は、思わずギュッと身体を固くした。  こうちゃんにだって、エッチの(そうなる)前に、胸のことを話していなかったわけじゃない。  なのに触れてもらっても()ち上がらなかった乳首に、愛想を尽かされてしまった。  きっと、宗親(むねちか)さんだって……。
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