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「春凪、さっきから何かよそ事を考えているようですけど……やけに余裕がありますね」
――余裕なんて、あるわけないです。
言われて、そう反論しようと口を開きかけた私に、宗親さんが小声で付け加えて来るの。
「僕は結構一杯一杯だって言ったら……どうしますか?」
って。
私はその言葉を聞いたと同時に、宗親さんにギュッとしがみついていた。
「だったら……証明してください」
――私を本気で欲しているってこと。
宗親さんの耳元、懇願するみたいにそうささやいたら、宗親さんに噛み付くように唇を塞がれた。
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