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宗親さんとはあんなに淫らな行為をしたくせに、結局最後の一線は越えられなかった――。
正直に言います。
私自身はそうなってもいいって思っていたのに、宗親さんが寸前のところでそこを越えてくださらなかったのです。
「春凪。本当の契りを交わすのは、名実ともにキミが僕の妻になってからにしましょう」
そう淡く微笑んだ宗親さんは、はちきれんばかりに硬くなったご自身を、私の中に埋めることなく、代わりに私の手に握らせた。
そのまま私の手ごと、ご自身の手でそこをギュッと握って、何度も何度も上下に往復させて。
手の中の宗親さんがその動きに呼応したように更に一層硬度を増したと感じたのと同時、ビクビクとした震えとともに、私はお腹に熱いものを吐精された。
男の人に精液を浴びせられたことのなかった私は、もうそれだけでビックリして。
「ひゃっ」
思わず小さく声を上げたら、呼吸を少し乱れさせたままの宗親さんに、気怠げに見下ろされた。
その色気を含んだ、でもどこかとても優しく見える眼差しにドキッとする。
この人は……こんなに穏やかな目で私を見る人だった……?
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