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【side宗親】
「織田、お前本気なのか?」
10席しかないカウンター席のど真ん中に陣取って、出されたばかりのウィスキーに口を付けるや否や、ここを経営している悪友に詰め寄られた。
まぁそれは仕方ない。そもそも今日はこのバーの店休日なのだから。
「――明智、近いです」
カウンターに手をついて前のめりになる友人からスッと身を引くと、僕は小さく吐息を落とす。
自分でも馬鹿げていると思ってるさ。
彼氏持ちの――。しかもまだ社会人にもなっていないような未熟な女の子に本気で横恋慕したいと思うなんてね。
「……正直な話、理屈じゃないでしょう? こういうのは」
溜め息混じり、半ば自分に言い聞かせるように言ったら、僕の言葉に呼応するみたいに手にしたグラスの中、琥珀色の液体を揺らして氷がカランと乾いた音を立てた。
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