14.接点なんていくらでも作れるはずなんだ

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 このバーでたまたま何度か見掛ける内に、やたらと気にかかるようになっていた、好みのな見た目の、ゆるふわな印象の女の子が、一度だけトロットロに酔っている姿を見たことがある。  いつもはどちらかと言うと、小柄な体型も相まって幼い印象さえまとった彼女が、切なそうに彼氏を見詰める表情に(まご)うことなき〝女〟を見て、僕は一瞬で心を奪われたんだ。  あの熱視線の先にいるのが、何故自分ではないのか、と本気で思ってしまったほどに。  どうしようもなく僕好みの、可愛い顔をした女の子だと言うのは認知していたけれど、不意打ちのように見せられたあの表情は反則だった。  世に言ういわゆるギャップ萌えと言うやつだろうか。  しかもそう意識した上でよく見ると、彼女は小柄な割に結構胸があった。  そのくせ自分ではそのことを余り意識していないのか、無防備に動くものだから、そのたび(まろ)い膨らみが柔らかく形を変えて、それが、何とも(なまめ)かしく見えて――。  僕だって、いい歳をした大人の男だ。  別に女性経験自体がないわけじゃなし、どちらかと言うと経験豊富な方だと自負だってしていた。  それなのに。
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