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――宗親さん! 何故いきなりそんな勝手に話を進めようと!
そう抗議したくて慌てて宗親さんに疑問をぶつけようとしたけれど、時すでに遅し。
閉ざされた扉の向こう側。
あっという間にシャワーの音が聞こえ始めて、私はひとり、中途半端に廊下で立ち尽くす羽目になった。
来週末というと、アパートの退去まであと1週間と差し迫った頃合いで。
――正直悠長にそんなことへ費やしている暇などないと思うのですよ、宗親さんっ!
そう一生懸命心の中で叫んだ私だったけれど、当然宗親さんには届かなかった。
ばかりか――。
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