17.わけも分からないままトントン拍子?

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 何もかもを手放した私は、ここを追い出されたら露頭に迷ってしまう。  困る(そうなる)ように自分で自分を追い詰めた。  、彼の元にしがみ付く言い訳にできるように。  結婚すれば妻以外を抱くつもりはないと言ってくださった宗親(むねちか)さんの言葉に、恐らく嘘偽りはない。  けど、宗親(むねちか)さんが契約上の妻として、私に操立(みさおだ)てをしてくださっているだけなのを、自分への愛情だと錯覚することがないようにしないと、きっと宗親(むねちか)さんに呆れられてしまうと思うの。  それを忘れてしまったら、私、夢から醒めた時、絶対に惨めになるから。  ――宗親(むねちか)さんのお芝居に(すが)ってしまいたいと思う気持ちをどれだけ制御出来るか。  それこそが、この偽装結婚での〝(きも)〟なんだと思う。  ――私は偽装夫の織田(おりた)宗親(むねちか)さんを本心から愛していながらも、そんな事はないと宗親(むねちか)さんを騙しながら偽装妻を演じなければいけない。  本気になってしまったと悟られたら、多分全てがご破産になってしまう。  そう思うから――。  私は渋々宗親(むねちか)さんに振り回されている(てい)で、今日も彼に付き従っています。
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