17.わけも分からないままトントン拍子?

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「僕が共に人生を歩んでいくパートナーとして、春凪(はな)さん以外の女性は有り得ないと確信しています」  そううちの父に話す宗親(むねちか)さんの横顔は、嘘偽りだらけの言葉にまみれているはずなのに、凛乎(りんこ)たる有様で本当にカッコ良かったの。  ハッタリでも何でも、父を納得させるだけの気迫が宗親(むねちか)さんにはあって――。  いつだったか、宗親(むねちか)さんが自信たっぷりに、「僕は割と人たらしの才能ありますから、そちらの親御さんにも確実に気に入られる自信があります」と豪語なさったのは、伊達じゃなかったんだと身をもって実感した。 「時に宗親(むねちか)くん。そちらのご両親は……その、うちの娘が貴方と結婚することをお許し下さっているのでしょうか?」  初見の時の偉そうな態度とは一変。  どこか宗親(むねちか)さんに媚びへつらうような物言いをする父に、私は胸のうちでひとり密かに嘆息をする。  分かっていたけれど、この人は本当に人をステータスでしか判断が出来ないんだなって思ってガッカリしてしまう。  宗親(むねちか)さんは肩書きなんて(そんなもの)なくても凄い人なのに。  もしも宗親(むねちか)さんが一介のサラリーマンだったら、父は――というより祖父も――彼との結婚を許してはくれないんだろうな。
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