18.勝算がおありなのですか?

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「うちの祖父はそんなに簡単じゃないと思うんです」  助手席で。  太ももに載せた手をギュッと握り締めたら、右手でハンドルを握ったまま、宗親(むねちか)さんが左手で私の手をそっと包んでいらした。  その大きくて温かい手に、私はドキッとしてしまう。 「春凪(はな)。大丈夫だから僕に任せて? ほら、前に言いましたよね? 僕には割と人たらしの才能もあるから春凪(はな)の親御さんにも確実に気に入られる自信がありますって」  視線は前に向けたまま。  宗親(むねちか)さんが私の手に載せた手に、ほんの少し力を込めていらっしゃる。  不意に(うかが)い見た彼の横顔は、優しい笑みを浮かべていて。  私は知らず知らず強張らせていた身体の力を抜いた。 「勝算が……おありなのですか?」  恐る恐る問えば「ないと思いますか?」とクスッと笑われた。  私が宗親(むねちか)さんのその言葉にすごくすごく勇気付けられたと同時、「とは言え、けどね」と小さく付け加えられて、「どういう意味ですか?」と彼の顔をじっと見詰める羽目になる。  けれど、「そのうち分かると思いますよ」とクスッと笑われて、それ以上は教えて頂けなかったの。
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