19.キミが思っている以上に僕は

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 言葉とは裏腹、楽しそうにクスクス笑うと、宗親(むねちか)さんはご自身の横をポンポンと叩いた。 「――もうしませんから。座って?」  私はそんな宗親(むねちか)さんに反抗して、ソファーには座らず、前に敷かれたラグの上に座る。  宗親(むねちか)さんはそんな私の様子に珍しく一瞬だけ瞳を見開くと、諦めたように小さく吐息を落とされた。  ――ごめんなさい、宗親(むねちか)さん。きっと可愛げのない女の子だって思われましたよね?  私も素直になれない自分のこと、常々そんな風に思ってます。  それでも……これだけは言わせて欲しい。 「い、今の織田家(おりたけ)が、柴田(うち)と同じだったなんて、私、知らなかったです……」  ――好きな人のことなのに、少し調べれば分かったかも知れないことを知らなかったのが、実は結構悔しくて情けなくて……私、自分が許せないのです。  だからね。今は貴方に甘える資格がないと思っているとか……。可愛げがない理由はそれなんです、だなんて……声には出せない本音だよ?
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