19.キミが思っている以上に僕は

13/14

2302人が本棚に入れています
本棚に追加
/720ページ
揶揄(からか)ってなんていませんよ、春凪(はな)。僕はキミのことを春凪(はな)が思っている以上にいます」  ここで宗親(むねちか)さんが〝愛して〟います、とか、先に告げたみたいに〝大好きです〟とか重ねて言って下さったなら、私、もしかしたらちょっとは本音が混ざってる?とか、ほんの少しくらいは心安らげたのかもしれない。  けれど実際の宗親(むねちか)さんの言葉選びは本当秀逸で、決して私に夢見がちなままでいさせてはくださらないの。 「――で、いつも僕が計算ずくで動いているか否か、でしたよね? 答えは否です」  宗親(むねちか)さんの言葉にひとりで勝手に翻弄(ほんろう)されているうちに、いきなり話を変えられた私はキョトンとしてしまう。  確かにその質問を投げ掛けたのは私だけど、いきなり今の流れでそこに話を持っていくのはおかしい気がして。 「……宗親(むねちか)……さん?」  ソワソワしながら宗親(むねちか)さんを見つめたら、クスッと笑われた。 「関連がないように聞こえました?」  聞かれて、なんで全部見透かされてるの!?とドギマギする。
/720ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2302人が本棚に入れています
本棚に追加