24.桁違い

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 あの夜以来、宗親(むねちか)さんは大人しく私からの許しが出るのを待ってくれていて――。  私は私で、本当は別に宗親(むねちか)さんに触れられることがイヤなわけじゃないから……どうやって「もういいですよ」と彼に言おうか迷っていた。  タイミングが測れないままに時間ばかりが過ぎていくことに内心ものすごく焦っていて。  素直になれない自分のことを、こんなにもどかしく思ったことはない。
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