24.桁違い

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(あっ! もしかして私、罠にはめられましたかね!?)  そう気付いた時には後の祭り。  宗親(むねちか)さんはとても嬉しそうに私をギュッと抱きしめていらした。 「春凪(はな)、やっと実感してくれるようになったのですね。――では今夜はいよいよ」  宗親(むねちか)さんの嬉しそうな声に、私はもう意地を張っているのがバカらしくなって。  何も反論しないままに彼の腕の中におさまっていたら、宗親(むねちか)さんが私の耳元、懇願するように囁いていらした。 「今度こそ僕にキミを抱かせてください、春凪(はな)」  その、どこか掠れたような甘い甘い声音に、私は身体がぶわりと熱くなる。 「お願い、許可して? ――春凪(はな)」  追い打ちをかけるようにそう重ねられて、私はコクコクとうなずいた。  途端、宗親(むねちか)さんに唇を塞がれて、口中を思う存分(むさぼ)られた私は、その不意打ちのような激しいキスの気持ちよさに、朝っぱらから溺れてしまいそうになる。 「あ、んっ、はぁ……っ」  時間なんてないのに、「いっそこのまま」とか、痺れた頭の片隅でとんでもない小悪魔な考えが駆けめぐった。
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