24.桁違い

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***  足利(あしかが)くんとなかなか離れられないままに歩き続けているこの状況で、織田(おりた)課長の車に乗り込むのはまずいんじゃないの?と思い始めてソワソワする。 (な、なんとか足利(あしかが)くんとさよならしなければっ)  色々考えた私は、 「……あっ、もしもしっ?」  電話がかかってきた(てい)を装って、それに応答する振りをしながら、足利くんにごめんなさい、お先にどうぞ、とジェスチャーをする。  お願い、どうかこのまま!……と祈る様な気持ちでの演技だったんだけど、足利くんは私の目論見(もくろみ)通り、あっさり手を振って離れてくれた。 (よかった!)
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