24.桁違い

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「回るお寿司も案外バカにならなかったでしょう? 安くても美味しいものはたっくさんあるんですっ!」  得意げに言ったら「ですね。結構美味しくて驚きました」って微笑んで、「じゃあ、僕はとりあえずお風呂のスイッチを入れてきますね」って何の脈絡もなく話を変えちゃうの。  私はその言葉に、ピクッと身体が跳ねてしまった。  お風呂っ。  そうだ――。  今日はご飯、めちゃくちゃ早く済んでしまった。  作る時間要らなかったし、家で作ってないから片付けも不要。  何より、今日はふたりして残業を回避してるからっ。 「あ、あのっ」  ソワソワしながら宗親(むねちか)さんを呼び止めたら「春凪(はな)は恥ずかしがり屋さんですし、お風呂の方がいいですよね?」って……。  やっぱりその「先」の比較対象は、朝の続きのことです、よ、ね?  私はコクコクとうなずいて。  それでもこう言わずにはいられなかった。 「宗親(むねちか)さん、先に入ってください」  って。  それは、前に宗親(むねちか)さんとの初夜を拒んだ日のリベンジだったから。  あの日、宗親(むねちか)さんは珍しく私より先にお風呂に入って……それから――。
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