25.初めての*

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「ごめ、なさ……ぃ。私、宗親(むねちか)さんに全然釣り合ってないです……。何も貴方に差し出せるものがないです……」  本当はね、私だって宗親(むねちか)さんをナイスバディーで魅了したいの。  春凪(はな)は綺麗だねって思われたい。  春凪を抱ける僕は幸せだって心の底から思って欲しい。  なのに――。  何でこんな日に食べすぎちゃったの、私。 「ね、春凪(はな)。何故泣くの? 釣り合ってないってどういうことですか?」 「そんなの決まってます。無計画過ぎる自分が嫌になって、自己嫌悪に(おちい)っているところです……」  百歩譲って陥没乳首は仕方ない。  生まれつきのものだもの。  でも。お腹の膨らみぐらいはもっと上手くコントロール出来たはずなのに。 「宗親(むねちか)さんとデートって思ったら……私、すごく……すごく嬉しかったんです。それで……」  ついタガが外れてしまいました。  お酒なんて一滴も飲んでいなかったのに、宗親(むねちか)さんとの初デートというシチュエーションに、一人勝手に気持ちが浮き足立ったんです。
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