25.初めての*

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春凪(はな)は僕のことを買い被りすぎです」  ん?  どういう意味ですか? 「か、買い被り(しゅ)ぎも(にゃに)も……元々(わらし)宗親(むねちきゃ)しゃんは勿体なしゃしゅぎるというきゃっ」  頬を掴まれたままでうまく喋れない私は、それでも一生懸命そう言って宗親(むねちか)さんを見上げる。 「勿体ない? 僕が春凪(はな)に?」  私の言葉に、宗親(むねちか)さんがあからさまに 不機嫌そうな顔をする。 「それは逆でしょう」  そうしてとっても意外な一言をおっしゃると、小さく吐息を落とされた。 「アレコレ自分に都合の良いように丸め込んで、八つも年下の可愛い女の子を妻にしたんですよ? (うらや)ましがられたり(ねた)まれたりすることはあっても、逆はないでしょう!」  スパーン!と言い切られて、私は瞳を見開いた。  ちょっ、宗親(むねちか)さんっ!  どこをどうこねくり回したらそんな思考回路になっちゃうのですかぁ〜っ! 「わっ、若い女の子なら私じゃなくても他にいくらでも――」
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