25.初めての*

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*** 「春凪(はな)、手が震えてるけど……キミは本当にそれでいいの?」  モタモタとつっかえながらパジャマのボタンに苦戦していた私の手を、不意うちのようにギュッと掴んで、宗親(むねちか)さんがそう問いかけてきて。  私はビクッと身体を跳ねさせて固まった。 「今更そんな……。いいも何もないですよ。逆にここまでしたのに何もして頂けなかったら……。私、きっと自信喪失で今後一切……そ、それこそ一生っ! 宗親(むねちか)さんとはそういうこと出来なくなっちゃうと思います」  ――お願い、宗親(むねちか)さん。私の覚悟を鈍らせないで?  心の中で必死に懇願(こんがん)しながらも、表面上はおちゃらけてみせた私に、宗親(むねちか)さんが小さく吐息を落とされた。 「……一生出来なくなるのは困ります。でも」  そこで私のあごをすくい上げるようにして顔を上向かせると、宗親(むねちか)さんは私の嘘を見逃すまいとでもするみたいに、じっと目を見つめてくる。
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