25.初めての*

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「もしも春凪(はな)にその気がないのに無理をさせてしまっているのだとしたら……そんなキミを抱くのは僕の本意じゃないというのも理解しておいて欲しいですね」  私は宗親(むねちか)さんの真剣な眼差しに一瞬(ひる)みそうになって。でもここで目をそらしたらダメだって思い直した。 「宗親(むねちか)さんに抱かれるの、嫌だなんて思いません。だって私、いつも言ってるじゃないですか。貴方の好みのですって。好みの男性に手を出されて嫌だと思う女がいると思いますか?」  あえて心の底から宗親(むねちか)さんのことを好きになってしまったという本心はひた隠しにして。いつものように軽い調子で「好みのストライク」なのだから、というところを強調したら、宗親(むねちか)さんが肩の力をふっと抜いていらした。 「じゃあ震えているのは何故?」  納得してくださったのかと思いきや、宗親(むねちか)さんったらどこまでも食い下がっていらっしゃいますね?  もういっそのこと「そっか。だったら遠慮なくいただきますね」で良いじゃないですか。  聞かれれば聞かれるほど私、惨めになっちゃうんですよ?  好きな人に自分のことを好きだと言われて身も心も愛されたい。  それが無理だから、せめて身体だけでも……。  でも肝心な身体にも自信が持てないから怖くて震えてしまうんです。
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