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夜。
宗親さんとソファーに横並びに座って。
ビールが注がれたグラスを手にソワソワしてしまうのは、今夜は明らかに宗親さんが座る位置が物凄ぉーく私に近いと感じるから。
ソファーの肘掛けから自分までの距離と、自分と宗親さんとの隙間を目測しながら、私は落ち着かない気持ちで大好物のチーズ――ケーゼレベレンペッパーチーズ――に手を伸ばした。
「や、やっぱりビールには……えっと、ほ、程よく辛みのきいたペッパーチーズが合いますね」
なるべく左隣に座る宗親さんから伝わってくる体温のことは考えないようにしながら、大好物のチーズを齧ってビールをグイッと煽る。
だけど紡いだ言葉はグダグダで。
それを誤魔化すみたいにゴクゴクと喉を鳴らして半分以上ビールを飲み干して。宗親さんに「え……」とつぶやかれた。
この距離!
これが飲まずにやってられますかぁ〜!って感じなんですけど……まさか宗親さん、今日も昨日みたいなことなさろうとか思っていたりしません、よ、ね?
考えただけで心臓バクバクでどうにかなりそうです!
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