31.同期会と宗親さんの嘘

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 今日の夕方、過日頼んだほんわか絵柄のキス・ペアマグカップが届くことになっていて。  私は受け取りのため、宗親(むねちか)さんより早めに帰宅させて頂いています。  何より今夜は伸びに伸びていた同期会が開かれることになっているから、私、遊びに行かせていただく罪滅ぼしとして、宗親(むねちか)さんの夕飯の支度を済ませておかなくてはならないのです。  宗親(むねちか)さんは「僕の夕飯の心配なんてしなくていいですよ? 子供じゃないんですから自分で何とでもできます」と言って下さったけれど、それじゃぁ私の気がおさまらないんだもの。 「いえ、お作りします!」  鼻息も荒くそう言い放ったら、苦笑されてしまったっけ。  言い方が強情過ぎて可愛げがなかった?  もっと愛らしく「ううん、作らせて欲しいの(はぁと)」とか言ったら、喜ばれたのかな。 (そっ、そんなの恥ずかしくて無理っ!)  一瞬フリフリのエプロンを付けた、甲斐甲斐しい愛妻姿の自分を想像してしまって、にわかに顔が熱くなった。  もちろん私にだって、可愛らしい妻を演じてみたい気持ちはある。  あるけれど……そんなの烏滸(おこ)がましいって思ったら、どうしても素直になれないの。  仲睦まじい夫婦をのって、思いのほか難しい。
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