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ふんわりラップが掛けられたそのそばに、『お鍋の中にお味噌汁があります。味噌煮はレンジでチンして温めてくださいね。ハナ』というメモまで置かれていて、春凪の気遣いに愛しさが込み上げる。
僕のことは気にしなくていいよと言っても、こんな風に何品も僕のために春凪が手料理を作ってくれたんだと思うと、胸の奥がじんわり温かくなった。
それと同時、落ちていたエプロンや、玄関先に無造作に転がっていた宅配物への胸騒ぎが強くなって。
だってこんなの、どう考えても〝春凪らしくない〟じゃないか。
「春凪?」
再度呼びかけながらテレビのあるリビングに行って――、僕は思わず息を呑んだ。
(な、んでコレがここに……?)
開けっぱなしになった、キャビネットの引き出し。
僕はテレビの上の、とメッセージを入れたはずなのに、背の低い春凪は無意識に下を開けてしまったのか。
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