32.春凪の愚痴と宗親の本心

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*** 「カンパーイ」  足利(あしかが)くんの部屋は1LDKの角部屋で、八畳の広い部屋の隣に二畳くらいの小さな防音室がくっついた間取りになっていた。  防音室にはキーボードやスピーカーなどの機材が所狭しと置かれていて、とてもみんなでワイワイやれる気配ではなくて。 「んなわけで、防音室付き物件っちゅっても、こっちの部屋にいたんじゃ意味ないんだけどね」  ククッと笑う足利くんに、みんなが「確かに」とうなずいて。  あんまりどんちゃん騒ぎをするのは良くないねってそれ相応な声音で静かに飲むことにした。
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