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今日は宗親さんに見つかりたくなくて、集合場所として彼に知られていたMisokaに行くのを避けたのに。
Misokaのオーナーや、北条くんにまで捜索の魔の手(?)が伸びていたんじゃ、意味がなかった!
宗親さんの腕に閉じ込められたまま、自分のアホさ加減にフルフルと震えていたら、宗親さんが腕の力をほんの少し強めてくる。
「春凪、頼むから逃げないで? 少しでいいから僕に弁解する機会をください」
一方的に関わりを遮断しないで?と力なく付け加えられてしまっては、宗親さんに甘々な私は引き下がるしかないじゃない。
そもそも弁解したいってことは……宗親さんは私のこと、要らないわけじゃないと思っていいのかな?
あんな大切なことで私を騙していたのにもちゃんと理由があるって期待しても……いいの?
だったらその理由を聞いてみたい。
そう思って。
「分かり、ました……」
フッと身体の力を抜いて「もう逃げないので離してください」と言ってみたけれど、信用ないのかな?
宗親さん、全然腕を緩めてくれないの。
「あの……」
ぽんぽん、と宗親さんの腕に触れてみたけれど、宗親さんは一向に私を離してくれないから。
私はソワソワと北条くんの様子を窺った。
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