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「あ、あのっ! 私……」
本当のことを言えないくせに、思わず宗親さんに声をかけずにはいられない。
「春凪、覚悟して聞いてください」
なのにそんな私に宗親さんは、まるで最後通告するみたいに静かな声音でそう言ってくる。
私、やっぱり捨てられちゃうの?
契約解除です、って言い渡されちゃうの?
そう思って宗親さんから思わず視線をそらしたら、「こっちを向いて? 大事な話だから、僕の方を見てちゃんと聞いて欲しい」と言われてしまう。
宗親さんはどこまでもドSだ。
こんな時でさえ、私に逃げ道を与えては下さらないのね。
泣きそうになりながらギュッと拳を握りしめて宗親さんを見上げたら、
「んんんっ……!」
いきなり彼にキスをされて。
えーっ⁉︎と思ったと同時、唇を離した宗親さんが、
「好きです、春凪」
そう言って、私の顔を切なくなるくらい真剣な顔で直向きに見つめてきた。
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