32.春凪の愚痴と宗親の本心

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 うー。 「ら、だって(らって)……いきなりキスしゃれてわけ分かんにゃい告白しゃれたんれすもの! 頭ん中グチャグチャれす! 溜め息をちゅきたいのはこっちれしゅ!」  我ながら締まらない口調だなと思いながらも、キッ!と宗親(むねちか)さんを睨み付けたら、肩から手を離した彼に、両頬をムギューッ!と思いっきりつぶされてしまった。 「にゃ、(にゃに)しゅるんでしゅか!」 「それはこっちのセリフです」  ド・キッパリ。  これほど低い声音でピシャリと言い捨てられたことはない気がします。  む、宗親さん、もしや怒ってらっしゃいます?  ギュッ!とほっぺを潰された不細工な顔のまま、ソワソワと彼の顔を見詰めたら「……お、お願いですからこんなこと、何度も言わせないでください」って宗親さんが視線を伏せるの……。  な、何でそこでそんな照れるんですかっ。  間近で見る宗親さんの困ったような照れ顔に、私はドキッとさせられてしまう。
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