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「あ、あれは……」
宗親さんが私を不安にさせたから外したんですよぅって言いたいのに、彼の迫力に気圧されて言えなくて。
「どこにやったんですか?」
再度畳みかけるように問いかけられた私は、すごすごとネックレスにぶら下げた指輪を胸元から引っ張り出した。
「ここです……」
チェーンに付けたままの指輪を持って宗親さんに見せながら、「宗親さんが私を不安にさせるから……していたくなくて外したんです」とゴニョゴニョ抗議をしてみたり。
宗親さんは私のぼやきに、「それは本当に申し訳ないことをしたと思っています」と素直に謝って下さって。
そのくせネックレスの引き輪を即行で外すと「――でも、誤解は解けましたよね?」と指輪を定位置に戻すよう結構な圧を掛けてくるの。
(本当この人はっ!)
今まで相当、抑えていたんだろうな。
こんなに子供っぽいところがある人だなんて、私、ちっとも気づかなかったよ。
でもそれが嫌いじゃないって思ってしまう程度には、私、彼にほだされているみたいです。
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