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請われるまま指輪を左手薬指に戻したら、宗親さんがホッとしたように私をギュッと抱きしめて、「もう二度とコレを外して僕以外の男たちと接したりしないで?」って吐息を落とすの。
あーん。
今までがドSな塩対応だっただけに、この包み隠さない甘えたモードとのギャップに付いていけなくて堪らなくしんどいです!
私はその居心地の悪さから逃げるようにスッとその場にしゃがみ込んで宗親さんの腕からすり抜けると、足元に落としたままの小箱を拾い上げて。
ビリッとガムテープを剥がして中身が割れていないかを検めた。
ひとつひとつのマグが小箱の中、さらに小さな箱に個別で入っていて。
その箱を覆うようにプチプチの緩衝材まで入れられていたから、マグカップはどちらも無事だった。
「もぉー、折角名入れまでオーダーしたのに割れちゃったかとヒヤヒヤしましたよぅ」
言いながら宗親さんを睨んだら、ふいっと視線を逸らして「さすがにお腹が空きました」って踵を返すとか……。
いま絶対、誤魔化しましたよね⁉︎
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