33.彼には彼なりの理由があったわけで

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***  宗親(むねちか)さんのために作った「サバの味噌煮込み定食」を、プレートごと電子レンジに放り込んでスタートボタンを押すと、私はお味噌汁に火を入れて、ついでなので生姜(しょうが)をほんの少し千切りする。  出がけに、私が家にいたらやるんだけどな?と思った、サバの味噌煮込みの上に載せる飾り用だ。 「飲み物は玄米茶でいいですよね?」  ヤカンを火にかけながらそう問いかけたら、 「春凪(はな)が出してくれるものなら僕は何だって大歓迎です」  カウンターの向こう側に腰掛けた宗親さんにニコッと微笑まれて、私はビクッと肩を震わせた。  もぉっ!  良い加減その甘々なアレコレ、やめてくださいよぅ。  本当落ち着かないんですっ!  そう思ったけれど、もしかしたら今後はずっと、一事が万事なのかも?と一抹の不安が脳裏を()ぎる。  これじゃ、宗親さんにピッタリだと選んだこのマグが、感じになってしまうではないですかっ。  使う前に一回洗おうと流しに置いたマグを手洗いしながら、私は小さく吐息を落とした。
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