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両膝の擦過瘡だけでなく、パッと見だけで首筋と手首に痛々しい鬱血痕を付けられた春凪を見て、どれだけ怖い目に遭わされたんだろうと胸が痛む。
ラベンダー色の綺麗なワンピースの前開きボタンを、手が震えるんだろうか。
上手くとめることが出来ないみたいにもたつく春凪を見かねて、僕が代わりにやってあげようと手を伸ばしたら、酷く怖がられてしまった。
手負いの小動物が懸命に自衛するみたいに、小さく丸められた春凪の背中を見て、胸がズキズキと痛みを伴って締め付けられる。
春凪が、胸元が肌蹴ないよう必死で押さえ続けているから確認は出来ないけれど、もしかしたら胸の辺りにも何か良くない痕を付けられているんじゃないかと思って。
僕が触れようとするたび、まるで自分は僕にそうされる資格がないかのような反応をする春凪が、『元カレに触られたところが全部気持ち悪い。お風呂入りたい』と強請ってきた時、僕はあの男を心底抹殺してやりたいと思ったんだ。
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