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一度は取り逃したけれど大丈夫。
再度取り押さえる事なんて、僕が――というより織田が――本気になれば造作もないはずだ。
春凪の、『自分は汚れてしまった』という感覚は、きっと表面的な〝汚れ〟よりも内面的な〝穢れ〟に近い。
恐らく脱衣所や風呂場の鏡を見れば、嫌でも自分に残された痣と向き合うことになるから。
春凪を一人で入浴させたら、落ちるはずのない嫌悪感を清めようと肌を傷付けるぐらいゴシゴシと擦るに違いないんだ。
そう思った僕は、一人で風呂に向かおうとする春凪を半ば強引に引き留めて、一緒に入ることにしたんだけど――。
春凪の服を脱がせてみたら、僕が大好きな春凪の綺麗な胸に、明らかに乱暴に扱ったと思しき指の痕がクッキリと残っていた。
春凪は、元々バストに対するコンプレックスが強い子だ。
そんな彼女の繊細な心をズタズタに傷付けて捨てたあの男が、何を言ってココにこんな痕を残したのかと思うと、考えただけで虫唾が走った。
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