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Misokaも、十二月に入ったと同時にクリスマスツリーが飾られたらしく、店内を流れるBGMもクリスマスソング一色に様変わり。
とはいえ、歌がついているような曲が流れることはなく殆どがオルゴール曲。しっとりしたMisokaの雰囲気は相変わらずだった。
「お久しぶりです」
Misokaに来たのも、康平とのことがあって以来だから、本当に久々。
宗親さんと二人でこのお店のドアをくぐったのもあの事件以来で、席へついたのに至っては思い出せないぐらい前のことだ。
明智さんも、あの日のことを知っているだけに色々お聞きになりたいだろうに、もしかしたら案外宗親さんから報告を受けておられるのかな?
「本当久しぶりだね。ほたるちゃんと俺のラブラブぶりを見せたくて見せたくてウズウズしてたのにさ。二人ともちっとも来てくれないから待ちくたびれちゃった」
あの日のことには一切触れず、明智さんがそんな軽口を返してくださる。
「もぉ、統和さんっ」
それに被せるようにほたるが照れる様も何だか新鮮で心地よくて。
それに――。
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