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「わぁ~。さすが明智さん! 私も絶対そっちの方がいいと思いますっ! やだ、めっちゃ嬉しい♥ ホント有難うございます!」
私がそう言った途端、宗親さんから無言のままに発せられた、〝明智、うちの嫁に餌付けしないでくれる?〟という恨めし気なオーラをひしひしと感じつつ、私は大好きなチーズの誘惑にあっさりと陥落する。
ほたるが明智さんに作ってもらったワインレモネードに合うというカプレーゼも、トマトのスライスの上にモッツァレラチーズとバジルが乗っかっていて、すっごく美味しそうで。
タラリと掛けられたエキストラバージンオリーブオイルと、パラパラまぶされた塩コショウの香りがふわりと鼻腔をくすぐった。
(モッツァレラチーズ♥)
声に出したわけではないけれど、表情に物欲しさが滲み出ていたみたい。
「もちろんこれも食べていいよ?」
ほたるからそう畳み掛けられては、宗親さんの了承の言葉を聞く前でも移動を決意せざるを得ないじゃないの。
「きゃー、ほたる、有難う! じゃ、あっち行こっ?」
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