40.記憶と結びつくもの

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 定期的。餌付けみたいに大好きなチーズとそれに合うお酒を振舞って頂けるのも、私にたかるばかりだった元カレから比べると信じられないほどの好待遇と甘やかしだ。  婚約指輪の件にしたってそう。  私の傷口に塩を塗らないよう、わざわざ形を変えて下さって。  胸元と耳元を飾る、婚約指輪に使われていたダイヤがあしらわれたアクセサリーに触れて、私は彼の愛情の深さを実感する。  ふと左手薬指に視線を落とせば、家事の妨げにならないようにという配慮で滅茶苦茶シンプルなデザインにして下さった宗親(むねちか)さんとお揃いの結婚指輪がキラリと光る。  いつも宗親さんに頂いたものを身に着けていられるのって、何て幸せなんだろう。    離れていても一緒だと思わせてくれるグッズって本当にいい!  宗親さんはこんな普通の女の子でしかない、取り立てて取り柄のない私を妻にまでして下さった。その上でこれでもか!と言うぐらいの深い愛情で毎日私を包んで下さっている。  なのに――。   考えてみたら私、宗親さんに頂くばかりで何一つお返し出来ていなかった。  これって最悪じゃない?
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