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そこまで言ってプレゼントを捧げ持ったままの私の手を箱ごとそっと両手で包み込むと、
「毎日美味しいご飯を作ってもらって、可愛いキミを思うさま抱かせてもらえる。キミと過ごす日々が幸福過ぎてお釣りがきてるくらいなのに……これ以上何を返そうっていうの?」
言って額に柔らかな口付けを下さった。
「でも、私――」
それでも折角のプレゼント。
受け取って頂けないのは悲しすぎます!
眉根を寄せてそう言おうとしたら――。
「お返しとかじゃなくて……ただの贈り物だったら凄く嬉しいんだけどな?」
唇を耳元に寄せられて、低められた声でそう落とされた。
私は宗親さんの言葉にゾクリと耳を侵食されてうっとりした後、ハッとして。
「あ、あのっ。これ――。く、クリスマスプレゼントです!」
お返しだなんて照れ隠しをしちゃいけなかったんだ。
宗親さんは純粋に〝プレゼント〟としてなら受け取ってくださる気満々なのだから。
お返しだと言って差し出した時には手を出して下さらなかった小箱を、宗親さんが今度こそ嬉しそうに受け取って下さった。
「春凪、有難う。中身は何かな? ――開けてみてもいい?」
大好きな宗親さんの心からの笑顔に、私はコクコクと一生懸命頷いた。
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