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「春凪はこれをどういう気持ちで作ってくれたの?」
私越し、宗親さんが香水瓶の蓋を開けるのがすぐ目の前で見えて。背後からそんな声を掛けられた私は緊張でキュッと小さく縮こまった。
「む、宗親さんは八月生まれなので……夏の朝の爽やかな感じを入れて頂きました」
夏と言えばという連想から瑞々しい柑橘類を連想した私は、思いつくままにそんなお話をエバリュエーターさんにして。
大好きな男性へのプレゼントなんですと話したら、「彼の写真はありますか?」って聞かれたからスマートフォンに入った十一月の挙式の時の写真をお見せした。画像をピンチアップして宗親さんをズームにしたら、一瞬だけエバリュエーターさんが息を呑まれたのが分かった。
「……凄く……ハンサムなご主人ですね」
ほぅ、っと溜め息をつくみたいにそう言われた私は、(ですよね、ですよね? 宗親さん、滅茶苦茶かっこいいですよね!?)なんて思いながら、同時に〝ご主人〟というパワーワードに照れまくって。
それを誤魔化すように宗親さんが出会った時からずっとマリン系の香りをまとわれているお話をした。
「出会った時から付けていらっしゃるマリン系の香りは、私の中での宗親さんのイメージそのものなのでそこは外せない事もお伝えして。それから――」
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