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そこまで言ってから、「お伝えしました」と言い切って話を終わりにしなかったことを軽く後悔してしまう。
だって。
これを言うのは凄く恥ずかしいって気付いちゃったんだもん。
「それから――?」
「……あ、あの、彼はお声も……お顔も……その、何もかもすっごくセクシーな人なので……大人の男性の色香を感じさせるような香りも詰め込んで欲しいって……お願いしました」
言いながら、結構な無茶ぶりだったな!?と自分でも思ってしまったけれど、そこも外せない宗親さんのイメージだったから仕方ない。
宗親さんがそんな私の盛大な好き好き暴露に何もおっしゃらずただただ、私の腰に回した腕に力を込めてくるから。その事が何だか物凄く照れ臭くなってしまった。
いつもみたいに「春凪はそんなに僕のことが好きなんですね」とか意地悪く揶揄ってもらえた方が、「そんなことありません!」って誤魔化せるのに。
最近の宗親さんは本当に読めなくて困ります……。
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