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「これが春凪の中の僕のイメージ?」
私の腰に回されていた宗親さんの腕がスッと離れて、香水のアトマイザーが視界から消える。
シュッという音はしなかったからきっと、中身を噴霧したんじゃなくて容器に直接鼻を近づけて嗅いでおられるのかな?
宗親さんのことだから、私の頭上でそんなことをして私に中身が降り注いだらとか考えて下さったのかも知れない。
宗親さんの足の間に座らされているせいで、彼の様子が逐一観察出来ないのが私の緊張感を否が応にも高めてくる。
「あ、あの……どう、でしょう?」
そわそわしながら背後を振り返ったと同時。
「んっ」
私は宗親さんに強引に唇を奪われていた。
おしゃべりしている最中で、半ば口が開いたままだった私の口中に当然みたいに彼の舌が入り込んできて。舌の付け根をくすぐる様に擦られた私は、ゾクリと這い上ってきた快感に、腰に回されたままの宗親さんの手をギュッと掴んだ。
プレゼントの感想をお聞きしたいのに。
それをさせてもらえないもどかしさと、このまま宗親さんのキスに溺れてしまいたいと言う欲求が、なけなしの理性の上を行ったり来たり。
「は、ぁんっ、む、ねちかさっ……、ダメっ」
そんな私の理性を崩したいみたいに宗親さんの手が腰から胸の方へ這い上って来るから。
私は懸命に抵抗を試みた。
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