40.記憶と結びつくもの

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 背中に宗親(むねちか)さんの熱い(たかぶ)りを感じて、今すぐにでもそれを受け入れて中をグチャグチャに掻きまわして(とろ)けさせて欲しいとか……そんな(みだ)らなことを思ってしまう自分に流されないよう踏み留まるのはかなり大変だった。  それを何とか可能にさせたのは、プレゼントを気に入って頂けたのかそうでないのかまだハッキリ聞かせて頂いていないことと、お風呂がまだだったこと。それから――。 「今夜は、一緒にお出掛けするって……おっしゃったじゃないです、か……」  宗親さんに、日中はほたると外出することを許して頂いたけれど夜は――。  夜だけは自分のために空けておいてほしいと言われていたのを私、ちゃんと覚えてる。  宗親さん、ハイエンドホテルに入ったイタリアンレストランにクリスマスディナーを予約してるって、話してくださいましたよね?  宗親さんに言われて私、調べてみたから知ってる。  予約してくだったの、高級なのになかなか予約が取れないことで有名なお店だった!  ましてや今日はクリスマスイヴ。  激戦だったに違いないの。  よく調べてみたらオリタの系列グループのホテルだったからコネとか使えたのかも知れないけれど、でもそれにしたって、その陰で予約が取れなかった誰かが居るかも知れないってことなわけで。  絶対無駄には出来ないじゃない!  私も買って帰ったプレゼント、そこで渡せたらよかったんだけど、選んだのが香水だったから飲食の場ではふさわしくないかなって思って。  それで帰宅するなりお渡ししてしまったんだけど……作戦ミスだったかも知れない。
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