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「春凪のそういう可愛いトコ、凄く好き……」
くるりと身体を反転させられた私は、下着姿のまま洗面台に手をつかされてしまった。
これ、顔を上げたら間違いなく真正面の鏡に自分の恥ずかしい姿が映ってしまうし、下手したら鏡越しに宗親さんと目が合ってしまうやつ!
すぐさまそう気付いたけれど後の祭り。
宗親さんは私の肩に軽くあごを載せると、耳のすぐそば。「春凪、そのまま顔を上げてまっすぐ前を見て?」と甘やかな声音で私を唆すの。
「ヤ、ですっ」
せめてもの抵抗に嫌だと言ってみたけれど、その途端「本当にダメ?」と邪見にされた子犬みたいな声で聞いてくるの、凄くずるい。
私は宗親さんのその声に不安になって、思わず顔を上げて。
鏡越し、バッチリ彼と目が合ってしまった。
「――っ!」
(絶対わざとだ!)
思いながら声にならない悲鳴を上げて視線を逸らせようとしたけれど、私はヘビに睨まれたカエルみたいに宗親さんの視線から逃れられなくなってしまう。
「春凪、凄く色っぽい顔になってる」
パチンッと背後でブラのホックが外されて、少し前かがみになっていた私の胸が解放を喜ぶみたいにプルンッと揺れながら生地を押し退けてまろび出たのが鏡に映った。
それが恥ずかしくて仕方がないのに。
「下もすごく濡れてきたね」
このタイミングでショーツの隙間から中に指を差し入れてくるとか、反則じゃないですか!?
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