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焦らされ過ぎて、いつもより感覚が研ぎ澄まされてしまったのかも知れない。
「んっ、宗親さっ、……」
でも何だかそんな些細なことがちょっぴり不安になって、思わず背後の宗親さんを振り返ったら、そのまま唇を塞がれてしまう。
「んんっ……!」
宗親さんが私の舌を自らの舌で優しく撫でるみたいに擦り合わせた後、やんわり吸い上げるようにしてきて。
それが堪らなく気持ちよくてゾクゾクしてしまう。
「ふ、ぁっ……」
唇が離れると同時、どちらのものとも分からない唾液の糸が私たちの間を繋いで、それが鏡にハッキリ映っていることに気が付いた私は、今更のようににわかに恥ずかしくなる。
宗親さんのキスに蕩けた私の顔は、こんなにもいやらしいの?って自分自身ドキッとして。
途端、宗親さんが「あ。春凪っ。すごい締め付け……っ」って私を抱く腕に力を込めてくるの。
力を入れる余り筋の浮いた男らしい彼の腕が、私の胸を押しつぶす様さえもとてつもなく卑猥に見えてゾクゾクしてしまう。
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