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「む、宗親さんのせいでは……っ」
私が勝手に一人で彼と離れる名残惜しさにこんなになってしまっただけなのに。
どこまでも優しい宗親さんに、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
泣きそうな顔で「私、はしたないのでっ」ってギュッと足に力を入れたら、「春凪。もしかして……気付いてないの?」って眉根を寄せられて。
私は宗親さんの言葉の意味が分からなくて「え?」と小さく吐息を落とした。
「今、溢れてきてるの、きっと春凪のじゃなくて僕の、だよ?」
「……宗、親さん、の? え? ……な、んで?」
「春凪に挿入る前、そのまましてもいい?って聞いたの、覚えてない?」
困ったみたいに眉根を寄せて見つめられた私は、ハッとして瞳を見開いた。
「宗親さん、……私っ」
だから、だったんだ。
いつもと何だか違う感じがしたの。
そのことに今更のように気が付いた私は、慌ててキュッと入り口に力を込めて中のものがこれ以上漏れ出てこないように頑張ったのだけれど。
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