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「あーっ、イイッ、そこっ、あんっ、あっ、気持ちいいっ……」
私は奥を突かれて、喘いだ。
恥も外聞もなく、思い切り快楽に身を任せている。
「んっ、んっ、んっ、あっ、あああああーーーーっ!」
最奥を突かれながら、胸を捏ねくりまわされて、先端を甘く噛まれると、私は達した。
同じタイミングでイったのか、彼も私から出て、どさりと横に倒れ込んだ。
絶頂の余韻に浸りながら、考える。
今回は当たりだわ。
この人はセックスがうまい。
自分勝手に動いたり、ここが気持ちいいに違いないとひたすら奥を突き続けたりする男も結構いるのに、彼は違った。
ちゃんと私の気持ちいいところを探して、そこを攻め立ててくれた。
「最高に気持ちよかったよ……」
甘い声でささやかれ、垂れた瞳がこちらを見る。
「私も……」
それに微笑むと、手を伸ばして頬をなでられる。
愛おしそうな仕草に戸惑う。
どうもこの人はいつもと勝手が違う。
頬をなでていた指が耳許をくすぐり、髪の毛を梳くように後頭部に回ると、頭を引き寄せて口づけられた。
舌が口の中を辿り、上顎を擦ると、ゾクッとした快感が走る。
散々そこを味わった後、口を離すと、「もう一回いい?」と掠れ声で聞いてくる。
すでに新たな欲望に火をつけられていた私が頷くと、ふっと微笑み、彼はゴムを付け替えて、また私の中に入ってきた。
私はセックス依存症だ。
仕事や何かでむしゃくしゃすることがあると、バーとかで男を引っ掛けて、こうして快楽に耽る。
そうすると、何もかも忘れてスッキリする。
私のストレス解消法だ。
30歳にもなって、こんな爛れた生活はどうかと思うけど、誰かと付き合うのも面倒くさいし、結婚願望はないし、周囲にバレなければいいかと思ってる。
今日も取引先のエロおやじに散々セクハラをされて、にこやかにその手を押し返して、クロージングしてきた。
あー、気持ち悪かった。
これは上書きが必要だわ。
幸い、直帰だったから、職場とも家とも離れたこの場所は男漁りにちょうどいい。
簡単に食事をした後、手頃なバーを探して入った。
カウンターに座り、取りあえず、強めのカクテルを頼む。
お酒は強い方…、というか、ほぼザルだ。
でも、何杯か飲んで酔ったふりをしていると、割と男は引っ掛かってくれる。
今日は2杯飲んだところで、声を掛けられた。
「隣り、いい?」
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