縁側の足あと

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広志はまだ3歳だから、私の話はわかっていないと思うのだけど、それでも微笑んでいた。縁側から足を投げ出してぶらぶらしている。やんちゃだった広志を思い出す。 私はそんな広志を見つめていると、とてつもなく眠くなってきた。 眠れなかったのに、今になって睡魔が襲ってきたようだ。でもそれがなんだか心地いい。熱帯夜特有の湿気もない、爽やかな風が吹いていた。 「広志がいるけど…」 私は広志の隣にくっついて座り、同じように足を投げだし、広志を挟んで光夫の肩にもたれた。 そして、私はそのまま静かに目を閉じた。
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