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11.5
ホームのベンチに、二人で腰を下ろす。
「……………」
「……………」
気まずい。
チラッと翼くんを見ると、その横顔は少し怒っている様に見えた。
私は居たたまれなくなり、口を開いた。
「……あの……彼女と、仲良くやってる……?」
すると翼くんが、はぁ……と溜め息を吐き、
「やっぱり……。美里ちゃん、勘違いしてるみたいだけど、俺、アイツとより戻してないから」
と言った。
「え?……えぇっ!?なんで!?」
私は驚きの余り、叫んだ。
その叫び声に、ホームにいた何人かの乗客がこちらを振り向く。
「ちょっ!声っ!」
翼くんが、シーッ!と人差し指を立てる
「なんでって言われても、俺、もう他に好きな子いるから」
「えっ…他に好きな子……?」
「うん。その子は、俺が失恋で立ち直れずにいた所を救ってくれた子なんだ」
そんな……他に好きな子なんて……。
どの道、私は失恋確定じゃん。
「……美里ちゃん、聞いてる?」
「……へ?」
「俺、今告白してるんだけど」
「え、誰に?」
「美里ちゃんに」
翼くんの言葉に、今度は絶句してしまった。
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