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第10話 運命の針2
朝食の準備もでき少しずつ入院患者が席につき
入院患者は食事をとりはじめます。
そこに静香と父、健一と母がテーブルにつきました
それぞれが美味しい食事を食べ始めます。
すると健一の母がこう言います。
「健一、お前の後ろのテーブルに、お前と同じ年くらいの女の子がいるよ」
「母さん、じろじろ見るのはよくないよ」
「そうだね」
「静香、お前の後ろに健一君の後ろ姿が似ている男の子がいるよ」
「でも、身長が高いか」
「お父さん、じろじろ見たら駄目よ」
静香の父は静香の気分転換のために外の散歩に誘います。
静香の好きな花がさいているからです。
外には花壇があり様々な花が咲いています。
「わあ、きれい」
「ピンクの花、紫の花、白い花」
「お父さん、ありがとうございます」
「お前は花が好きだと思ってな」
静香は思った、このピンクの花を健一にプレゼントできたらと
しかし叶わぬ夢なのかと寂しい心でいっぱいでした。
健一の母は体の状態もよくなり、もともと入院期間が2~3日でした
退院することとなり、健一は帰る準備を行いタクシーを呼びました。
「母さん、帰ろうか」
「タクシーを呼んだから、それまで散歩しよう」
「そうだね」
「静香、あっちの病棟の方にも花が咲いているぞ」
「行ってみるか」
「はい」
運命とはなんと残酷なものだろうか
健一の母はきれいな花に心を奪われ花壇の花を見とれていた
なかなかタクシーがこないのに健一はイライラしていた
「もう20分も来ないぞ、何しているんだ」
「健一、いいのよ」
静香は花を一通り見たので病室に帰ることにします
ついにタクシーが到着しました。
「母さん、タクシーが来たよ」
「ほら、よいしょっと」
「ありがとう」
最初の花壇に着いたばかりの静香が健一に気づく
「健一さん・・」
「健一さん・・・」
「健一さん・・・・・」
「どうして・・・」
お客さん、それでは出発します
「お願いします」
「やっと帰れるね」
「そうだね」
静香、どうしたんだ、健一さんがいたのか
「健一さん、助けてください・・・・・」
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