第8話 いじめ

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第8話 いじめ

健一と別れて静香は2時間ほど離れた新生中学校に通うことになりました。 そこで待ち受けていたのはいじめです。 小学校の時は同級生と仲が良かったですが中学校は違いました きっかけはホームルームの出来事でした。 「はい、みんな新しく中学校で勉強をしていきます」 「同級生と仲良くするために自己紹介しましょう」 「はい、宮下友三です」 「山田、あかねです仲良くしてね」 「初めまして」 「本庄静香と言います」 「よろしくお願いします」 「ははははは、馬鹿うけ」 「お前はお嬢様か」 「はははは」 「いい子ぶりやがって」 この自己紹介がいじめの出発点でした ここから執拗にいじめられていき、辛くて悲しい思いをしていきます 言葉づかいだけでなく、不自由な足についてもいじめられていきます あらあら、もしかして静香ちゃんはお父さんのことをお父様とよんでいるの いい子ぶりやがって 何、その足の機械はもしかして歩けないの このように、いじめられる日々が続いていきます 静香は父に言えず一人悩みました 健一さんと会いたい 助けてください、そういう思いでいっぱいでした。 いじめはさらに発展していき、しまいには暴力をふるわれることになります。 「おい、こら、今日もごめんなちゃいと言え」 「ごめんなさい」 「なんだ、この足は蹴ってやれ」 「足だけは許してください」 「痛い、痛い」 「その長い髪をハサミで切ってやろうか」 「いやです、やめてください」 「ははは、ロングヘアからショートヘアになったな」 (健一さん、助けてください。) 「まあ、このくらいにしてやる」 髪を切られたのを見て父がいじめに気がつきます。 そして担任の先生に相談にいきますが 担任の先生は消極的な印象でありいじめに対して問題意識がなさそうでした。 父は強い口調で担任の先生に抗議します。 ついに静香は足にあざができ夜も眠れなくなります。 父はあまりにも心配で心療内科に連れて行った結果 医師は規模の大きい精神科を勧め、その病院で入院となりました。 暴力を防ぐ目的もあったのです。 静香は健一が恋しくて恋しくてたまりませんでした。 健一さえいれば助けてくれるそう思うばかりでした。 「健一さん、助けてください」
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